青春の影と光
2012-07-18


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 上の写真、シンディ・シャーマンの作品(Untitled #96、1981年)です。
 シンディ・シャーマンは1954年生まれ、セルフポートレイト、つまり作者自身を被写体にした写真作品を、多く残している写真家、美術作家です。

 この写真のなか、彼女の手が握っているのは、求人広告雑誌を切り取ったものらしいです。多少想像力を働かせば、都会に出てきた女の子が、思うように仕事を見つけられずにぐったりしてしまった、という情景を思い浮かぶこともできそうです。なんだか、悲しげな目をしています。

 しかし僕などから見れば、この悲しげな目さえも、ちょっとばかりまばゆくて、まぶしいものです。
 ちょっとしたことですぐに落ち込む青春時代は、一方で、未来への希望もたっぷり含んでいます。思い通りに行かないことは多々ありますが、決して諦めず、You can never never surrender! と歌い上げられるのも、若者の特権です。


 Corey Hartが歌う「Never surrender」を、僕が感激して聞いていたのは高校時代。なにくそ、頑張るぞ、と奮起したいときに口ずさみ、自分自身を鼓舞していました。
 

 その結果でうまく行ったかどうかは、すでに記憶にないです。
 絶望的に思えていたりしても、決して絶望的でなかったことだけは事実です。物質的に成功したというよりも、精神的には成功したつもりです。


 ちなみに、上のシンディ・シャーマンの写真は、昨年のとあるオークションで、3億1500万もの世界一の高値がついたそうです。彼女は物質的にも成功したようですね。
[写真]
[音楽]

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