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つぼみさんのブログに興味深いウツボカズラの記事が載っています(
[URL])。食虫植物のウツボカズラとその仲間は、東南アジアを中心に点在し、特にボルネオ島がその本場だそうです。
東南アジア、特にスマトラ、パラワン、ボルネオあたりは甲虫の宝庫としても知られています。巨大なコーカサスオオカブトやオオヒラタクワガタなどが、もし食虫植物と対決したらどうなるか、想像するだけでなんだかおもしろそうです。
ウツボカズラはマダカスカル島までその姿は見つかっていますが、残念ながらアフリカ大陸のほうには生息していないそうです。残念、というのは、もうひとつの夢の対決の相手が、「虫屋の落とし文」(奥本大三郎)の表紙にも登場しているゴライアスオオツノハナムグリです。奥深いアフリカの熱帯雨林に生息しているこの巨大甲虫は、南米のヘラクレスオオカブトのような長い角を備えてはいないものの、ある意味、ヘラクレス以上に厚重で頑丈そうです。その体長が110mmに達し、世界で最も重い昆虫だと言われています。
名前のゴライアスは、聖書に登場する大男のゴリアテに由来しています。
僕が紅顔の美少年、もとい、ニキビ面のブ少年だった頃、なぜか新約聖書に魅せられた時期がありました。キリスト教徒にはならなかったのですが、最初の福音書マタイ伝の冒頭に、アブラハムがイサクを生み、イサクがヤコブを生み、ヤコブが...長々とイエスの家系を説明しているところがありますが、この人名の羅列を音読しているうちに、まるで催眠術の呪文にかかったような感じで引き込まれしまいました。
アブラハムからダビデ王までが14代、ダビデ王からバビロン捕囚までが14代、バビロン捕囚からイエス・キリストまでが14であることを、マタイ伝は書いています。イエスが由緒正しきユダヤ人の継承者であることを説明するには、ユダヤ人の祖・アブラハム、そしてユダヤ人歴史上唯一の大王国を築いたダビテ王に繋げる必要があったかも知れません。
マリアは処女のままでイエスを身ごもったので、血統もなにもあったものじゃない、とも思いますが。
旧約聖書のサムエル記によれば、イスラエル軍と対峙する宿敵ペリシテ軍から、ゴリアテという剛勇無双な大男が進み出て一騎打ちを呼びかけたとき、ただひとり怖じけずに挑んだのが、青年時代のダビデでした。
ひょろひょろ出てきた若造を、巨人・ゴリアテはたぶん鼻で嗤ったが、そこはなめちゃいけない、弁慶を向こうに回して戦った牛若丸よろしく、こちらダビデも実は秘技・石投げの名手でした。ゴリアテがダビデの投げた石で眉間を割られて倒れたところ、ダビデが飛びかかって、ゴリアテの大きな剣を引き抜いては、呆気なくその首を刎ねたのであります。
ミケランジェロのダビデ像が有名ですが、その左肩にある布のような物が石投げ器です。石を入れてブンブン振り回しながら、加速したところで、エ〜と狙いを付けて投げるわけです。
ちなみに、ダビデ像が寸糸不掛スッポンポンなのは、旧約聖書に「それらを脱ぎ捨て」と書いてあったからそうです。
味方軍のみながゴリアテの猛々しさに震えているところ、勇敢にも名乗った若いダビデを、サウル王が自らの鎧を着せました。が、なにしろ元は羊飼い、たぶんそんなものは付けたことがなく、どうも動きづらいのか、結局その鎧を脱ぎ捨てました。いや、脱ぐのは鎧だけでよく、強敵の前にフルチンになるまで脱ぐ必要はまったくないと思いますが。
ともかく、ダビデが投石の名人であったのは、羊飼いだったためです。
「英国大使の博物誌」を読むと、モロッコなどで、牧羊犬がいなくても、群を外れそうな羊の前に小石を上手に投げて群を保つ少年少女を、作者の平原毅さんは何十回となく見たそうです。
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