前世紀の雑誌いろいろ(3) 〜月刊優駿
2015-01-10


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 「優駿」は日本中央競馬会が発行している月刊の機関紙です。

 「優駿」という熟語は本来存在しないですが、1941年に本誌が発刊され際に作られた創語ではないかと推測します。長い歴史を有するこの雑誌は、競馬、馬産関係者向けの学術誌的な色彩が強かった時期もありましたが、次第に競馬情報誌の色が濃くなり、機関紙としては破格の売り上げ部数を誇っています。


 僕は学生時代から不定期に購読しています。
 坊間の他の競馬雑誌に多く掲載されるレース予想の記事は比較的少なく、代わりにレース回顧や観戦記の類が多く、また、様々な文化人が執筆する連載等も、読み応えがあり、保存価値もあると思います。

 もちろん「優駿」は現在も毎月発行され、僕もたまに購読しますが、上の写真に写したのは、いま手元にある1990年代分のバックナンバーです。

 一番古いのは、右下に写っている1991年7月号(5月末発売)です。
 本当はもっと古いのもありましたが、会社の寮に引っ越すとき、荷物を減らすために書籍類はダンボール1つに厳選し、「優駿」は記念に1冊だけ持って行こうと決めました。
 そのときに選んだのが、トウカイテイオーが勝った第58回日本ダービーの直後に発行された、この1991年の7月号でした。

 中京競馬場でデビューしたトウカイテイオーの、その新馬戦と次のシクラメンステータスはたまたま見逃しましたが、3戦目の若駒ステークスで一気にファンになりました。
 レース前の、あのパドックでの歩様だけでも、衝撃でした。四肢の繋ぎのやわらかさは、長年競馬を見てもいまだ類を見ない独特なものでした。
 父シンボリルドルフに次ぐ無敗の二冠制覇を果たしたトウカイテイオーは、このダービーの3日後に骨折が発覚しました。波乱万丈な競走馬生涯における最初の挫折を迎えた頃です。

 度重なる故障に悩まされながらもジャパンカップ('92年)や有馬記念('93年)を制した、この不世出の名馬は、一昨年の夏に亡くなっています。
 馬のライフサイクルは人間より短く、何世代も見て行くと、感慨がいっそう深くなります。
[競馬・馬関係の雑談]
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