2014-06-14
以下、古い雑誌「新青年」よりの抜粋です。
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一日、ブラウン機、墜落して雄図挫折。
隣へ行く様にはいかんです。
五日、武蔵野館に争議がおきました。
休憩に演説をおきかせ致します。
十三日、力自慢の男、石をもち上げそこなつて残死。
遺言に曰く、石碑はごめん。
十八日、鶏卵七百貫目盗んだ奴があります。
よほど大きなオムレツが喰ひたかつたらしい。
十九日、ボクシングの練習中死亡。
かうなつたら百数えても駄目です。
廿一日、橋の上から省線電車に飛び込み自殺。
もとダイビング選手、だつたか、どうか。
廿七日、日本一の健康児表彰さる。
病弱児の分は追つて発表。
廿ハ日、奥利根に人間の片足発見。寺島の続きでないかと大騒ぎ。
足は高とびしましたかな。
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昭和2年(1927年)のリンドバークによる大西洋横断飛行に刺激され、昭和6年に朝日新聞社は、太平洋無着陸横断飛行(本州とカナダのバンクーバーより南の間を飛行)の最初の成功者に日本人であれば10万円、外国人であれば5万円の懸賞金を出すと発表しました。
何回かの失敗例を経て、すでに6年の10月に最初の成功者が現れたそうです。それでもなおブームが続き、このブラウン機は、5月29日に出発したものです。
「寺島の続き」うんぬんとは、この年3月7日、寺島町の溝から首と手足が現れた殺人事件です。江戸川乱歩ら推理作家も犯人推理に加わり、新聞等でさまざまな特集記事が組まれました。被害者の遺体を切り刻む猟奇殺人の名称として「バラバラ殺人」が定着した事件でもあったようです。
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