景気の波、人生の波
2009-03-04


資本主義の経済には、48年から60年ぐらいの周期で景気の山谷が遷る長期的な循環が存在します。そう提唱したのが、旧ソビエトの統計学者ニコライ・D・コンドラチェフ教授で、1926年の論文に含めて発表しています。1930年代から1940年代の世界恐慌を予測したこの長期変動は、「コンドラチェフの波」と呼ばれたりするそうです。
 昭和50年1月の朝日新聞で取り上げた記事が、講談社ブルーバックスシリーズの「予測の科学」で引用されていますが、見ると、周期的にはやや遅れていますが、いまがほぼその第5波の谷底だと見ることもできます。
 波が終わったら完全に元に戻るものではなく、朝日新聞で取り上げた記事では、波を打ちながらも波ごとにわずかずつ上にのぼっていく図にしています。

 この循環の周期や要因は、あまり理論的に説明されず、もしかしてただの偶然かも知れません。

 しかし祇園精舎の鐘、沙羅双樹の花、何一つ変わらないものがなく、諸行無常、盛者必衰、これだけは我々が常に経験してきたことです。
 あれこれ変化する様は「ゆらぎ」だと捉えることができ、大きなゆらぎのなかに小さなゆらぎが含まれ、さまざまなゆらぎのなか、ほぼ元の状態に復帰するものもあれば、「経年変化」によって復帰しないものもありましょう。

 四季は変わらず循環するだけのように見えても、そのなかを生きている人間が、いつの間にか老いてしまいました。
 最近keikoさんも書かれた「年年歳歳花相似, 歳歳年年人不同」([URL])も、まあそういうことなのでしょうね。
[生活・雑感]

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