2008-04-07
武侠小説の巨匠・金庸は、その「笑傲江湖」のなか、「廣陵散」という古い琴曲について言及しています。
小説のタイトルにもなっている、曲洋と劉正風が合作した「笑傲江湖曲」、その一部は「廣陵散」をもとに改編した曲だそうです。
「廣陵散」は、晉の稽康が亡くなった後に伝わらなくなったが、曲洋が漢時代の皇帝、重臣の古墳を掘りまくって、ようやく古い楽譜を見つけ出した、という設定になっています。
いま、ちょうど「剪燈餘話」(明・李禎の著作)を読んでいますが、その第一巻の「月夜彈琴記」に、思いかけず、この「廣陵散」が出ています。
既に鬼籍に入った、趙氏の侍女だった碧桃女子が、祭ってくれた馬緝之に感謝し、「廣陵散」の楽譜を授けた、というくだりです。
馬緝之はこの曲を大事にして、決してほかの人に教えず、結局、馬緝之が死んだあと、この曲が弾ける人もいなくなった、という話になっています。
ところで、ネットで調べたら、「廣陵散」の楽譜は現存しているようです。
明・朱權が編著した「神奇秘譜」に初めて出ている楽譜なので、云われているような、漢の時代から存在していた幻の曲かは、だいぶ怪しいです。
しかし、そのいま残っている「廣陵散」も、四十五段もあるかなり長い曲で、難易度も非常に高いとのことです。
セ記事を書く
セコメントをする