パルジファルとローエングリン
2007-09-16


禺画像]
.
 ワーグナー音楽には一種の中毒素が含まれているようです。
 僕はまだ大丈夫ですが、気を付けずに深みにはまりこんでしまった人は、明けても暮れても、ヴァグネル、ヴァグネルと言い続けたりする症状を、芥川也寸志がそのエッセイのなかで書いています。

 そうなると、バイロイド詣でへどうにも行かなきゃならない気持ちになる、麻薬中毒にも似た恐ろしい代物、だそうです。


 ここで、また競馬の話になって申し訳ないですが、実は、日本に「バイロイト」という名前の競走馬がいます。
 今年1月の万葉ステークスを勝ち、重賞のダイヤモンドステークスで2番人気になっていたぐらいなので、競馬ファンならよく知っていると思います。

 バイロイドの父は、シングスピール(Singspiel)です。

 日本でジャパンカップ、ドバイでドバイワールドカップ、英国でコロネーションカップとインターナショナルステークスで優勝し、北米でもカナディアンインターナショナルステークスでの優勝や、ブリダーズカップターフでの2着があり、芝、ダートを問わない、正真正銘の超一流馬でした。
 さらに種牡馬としても成功し、産駒のムーンバラッド(Moon Ballad)により、ドバイワールドカップの親子制覇を達成しています。

 馬名のSingspiel、ドイツ語では「ジングシュピール」、18世紀から19世紀にかけて流行した庶民向け歌劇のことだそうです。

 ですので、Moon Balladの名も音楽関係ですが、日本での代表産駒と言えば、マイラーズカップや毎日王冠など、長く活躍し続けているローエングリンでしょうが、ワーグナーのオペラに、まさにこの「ローエングリン」というがありますね。


 世界中で結婚式の曲として用いられる、あの「真心こめてご先導いたします」も、本来、「ローエングリン」の第3幕への前奏曲です。

 写真は、だいぶ昔のCDマガジンClassic Collectionのワーグナーの号に付いている冊子です。
 このワーグナーの生涯最後の楽劇「パルジファル」も、「ローエングリン」と関連性が深いです。
 ともに叙事詩「パルツィヴァル」よりインスパイヤされている作品で、そもそもパルジファルという人は、ローエングリンの父に当たる人物です。

 但し楽劇の「パルジファル」は一種の聖杯物語で、基調が明るい「ローエングリン」に比べれば、どこか宗教的な面、善が悪に打ち勝つと説く教訓的な重さが、どうしてもあるような感じがします。


 日本の中央競馬には、パルジファルという名前の馬も走っていたな、という記憶が甦り、調べたら、ちょっと発音が異なり、濁らずに「パルシファル」となっています。
 まあ、所詮はドイツ発音か英語発音かもよくわからないもの、このぐらいの違いはどうでもいいことでしょう。

 パルシファルは、2勝しか挙げられなかったが、名牝ダイナフェアリーの仔、G2レースだけで4勝ぐらい挙げていた、あのローゼンカバリーの弟です。
 名付け親のオーナーは、お兄さんはバラの騎士なら、弟は白鳥の騎士で、という発想だったかも知れません。

 いずれにしても、馬の世界で、パルシファルは、ローエングリンの父ではありません。
[競馬・馬関係の雑談]
[音楽]

コメント(全6件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット