コメント(全8件)
1〓5件を表示
tianshu ― 2007-06-23 19:29
こんばんは!
>>「元金二百九十七円が、つもりにつもって二千四百七十円」???
当時日本の高利貸しやは優しかったでしょうか。とれとも内田さまのことを特別に扱っていたのでしょうか。
内田様はお金の計算が苦手でしたが、随筆の前後呼応はお上手だそうですね。
チャンスがあれば読んでみたいなとおもっています。
借金、鉄道、お酒、それに琴のお話。
面白そうです、私も読んでみたくなりましたが、手に入るのでしょうか。
こんばんは。
内田百閧ヘお金の計算が苦手、というよりは借金に慣れすぎて、なにも思っていない様子です。
例えば、原稿料が滞って、もらうべきお金だから取り立てたら、と人はいうと、百關謳カは、それだからこそ工合が悪い、もらうべからざるもの(要は借金)をもらうほうが気が楽で上品で清潔だと言います。
貸してもらえば、そのお金が役に立つだけでなく、「貸してくれたという親切に感応して幸福をお土産にすることができる」だとか。(「鬼苑雑記」)
百閧フ随筆に借金の話はよく出てきますが、その理由はあまり書いていないようで、「私の暮らし上の不始末で借金がかさみ、」と軽く飛ばしたりとか、です。
「西廂雑記」は僕は未読ですが、出久根達郎のエッセイの引用によれば、「月収が45円の時代、家族全員がかぜで倒れ、やむなく看護婦を雇ったが、次々と家族が病気するので、看護婦が手放せなくなり、その費用が1ヶ月で45円、つまり月収がまるまるふっとんでしまった」のが元で、高利貸しに手を伸ばしたそうです。
「青葉しげれる」に載っている話ですが、少年時代親に35円で買ってもらったヤマハのオルガンを、百閧ヘ(何度か差し押さえながらも)、ずっと大事にしていました。
しかし大正12年、本人がいないとき、ほかの封印したものと一緒に借金取りに運ばれてしまいました。
それを聞いて「非常にあわてた気持ちになって」、オルガンの評価額が10円だと聞いて、なんとかその分だけこしらえて買い戻そうとしたが、どこへ行ったかわからなかった、という話です。
Fujimotoさん、こんばんは。
私も百閧フ随筆は好きで、ずいぶん前ですが「ノラや」など数冊読みました。飄々、という形容が最も似合う人ですよね。
セ記事を書く